悪魔の誘惑

「悪魔の誘惑」をテーマに禅僧がコプト修道僧を訪ねる作品を作ったことがある。 仏教の原点は、釈尊が様々な煩悩との戦いを制し、最後に悪魔との戦いを制して悟りを開いた「降魔成道」にある。 禅宗では釈尊の成道に因み、陰暦12月1日から8日の朝まで昼夜寝ずに座禅する「臘八接心」を行っている。 洗礼者ヨハネから洗礼を受けたイエスは荒野に向い、40日40夜の祈りと断食を経て悪魔の誘惑を退けてキリストとしての歩みを始めた。 西洋絵画では、イエスの「荒野の誘惑」と共に「聖アントニウスの誘惑」をテーマにした作品が多く描かれている。 キリスト教修道院制度の創始者である聖アントニウスは、エジプトのアレキサンドリアで生まれた富豪のコプト教徒であった。 コプトはローマ教区による策謀もあり、カルケドン会議で異端とされた原始キリスト教の一大勢力(当時)であった。 ある日、アントニウスは砂漠に出よとの神のお告げを受け、家族や財産など全てを捨てて砂漠に出向き、石棺からミイラを取り出して住まいとして祈りと瞑想を始めた。 その時、悪魔が訪れて様々な誘惑を試みたが、それに打ち勝ったという聖伝説が残っている。 アントニウスは紅海近くの山の洞窟に籠り、祈りの日々を過ごして修道院制度を確立したと言われる。 現在でも特別に認められた修道士は、砂漠の洞窟で生涯を一人で瞑想と祈りの歩みをしている。 映画は、洞窟の修道士を禅僧が尋ねるという物語。

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